Water Library 022


・・水のほん“Water Library ”・・・

~・~・水にときめいて・~・~

 

古神道の系譜をたどっていくと、松浦彦操(1906~1949)という人物があらわれてきます。本書『幸せを呼ぶ折紙の秘密』では、大宮司朗さんがこの松浦彦操に伝えられた太古神法の背景をわかりやすく紹介し、折紙(折り)のもつ不可思議な霊力や秘められた歴史とともに明かしています。

 

太古神法について具体的なことをここで述べることは畏れ多く憚れますので、折紙に使う和紙や、この松浦彦操について、本書から抜粋、要約させていただきます。

 

 

私たち日本人にとって折紙はたいへん身近であり、子どもの頃から慣れ親しんでいますが、世界の国々から見るととても珍しいもののようです。折紙は、1枚の紙がさまざまな形に変化し、造形美を感じさせます。折る時や観賞する時にはイメージする力、想像する力が求められます。手や指を繊細に器用に動かす作業は、脳に刺激を与えて脳を活性化させ、頭脳の働きをよくして発想力や集中力を養うそうです。

 

 

日本で折紙が発達した理由の一つとして、日本で古来より用いられてきた和紙が、独特の手触りや美しさをもち、しかも薄くて丈夫で耐久性に富んでいたことがあげられます。和紙は日本固有のもので、コウゾ、ミツマタ、ガンピなどの樹皮を材料にして、清浄な水で何度も濯ぎ、手で漉いて作られます。洋紙のように特別な薬品を使わず、夾雑物が含まれないので、長い年月を経ても保存できます。年代の明らかな国産の最古の和紙は、正倉院に残されていた大宝2年(702年)の美濃(現在の岐阜県南部)、筑前(現在の福岡県西部)、豊前(現在の福岡県東部、大分県北部)の国の戸籍です。

この地域のあたりは、いまも美濃和紙、八女和紙の産地として有名です。

 

紙すきに適した土地があるそうで、『紙漉必要』という天保年間に出された本には、「山川に清き流れありて泥気なく、小石にて浅く滞りなく長るる川の浄地を佳とす。又は清水の多く出て、末はさらさら流るる地は宜し、水温みて色に濁ある河は宜しからず。其所の水によりて紙の善悪あれば、先ず水見立てること第一なり」と、良質で豊かな水に恵まれた土地で和紙をつくることが可能だとあります。水質によって和紙の出来上がりが変わってくるそうです。(参考:フジクリーン工業株式会社HP 水の話)

 

 

さて、20世紀に入って松浦彦操によって秘められた神法の存在が明らかになりました。松浦家の先祖は、斎王に仕える松の前という侍女でした。「斎王(さいおう)」とは、時の天皇の未婚の皇女が、御杖代(みつえしろ…神に使われ、神に占有され、神人合一して神託するものの象徴)として、天照大神に仕えるという伝統が制度化されたもので、斎王は歴代天皇の御代の初めに卜定(ぼくじょう)という占いで定めることとなっていました。斎王のおられる宮、斎宮(さいぐう)にはお仕えする人々が最盛期には約500人くらいいて、宮廷都市となっていました。

 

松浦家の伝承によれば、斎王は「折り」「包み」「結び」の修行をし、神に仕えたそうです。その起源は遠く神代にさかのぼり、天上界から三種の神器とともに地上にもたらされたといいます。太古神法は垂仁天皇の御世に、現在の地に伊勢神宮を定めた倭姫命(やまひめのみこと)によって、大成され体系づけられ、伊勢神宮において神明に奉仕する斎王(いつきのみこ)に代々伝えられたとされています。

 

 

14世紀の南北朝の動乱の時に、伊勢から吉備(現在の岡山県)に逃げのび、松浦家の女から女へと口伝えに伝えられたと、『神典形象(みふみかたどり)』に男子の彦操が祖母からきいた話として記されているそうです。民間に漏えいした太古神法は、いくつかの系統に分派して現在に至っているそうです。

彦操は10歳の頃には一通り祖母から伝授されていて、22歳の時に祖母が亡くなりましたが一心不乱に研究をつづけ、昭和10年、天啓を受けて東京に出てきました。講演をしたり、『みふみかたどり』を出版して、秘められてきた神法は明らかとされていきました。昭和21年宮中に召されて、天皇、皇后に斎宮の秘事を奏上し、自著及び折紙人形3体を献上しました。しかし、昭和24年にわずか43歳の若さで他界してしまいました。その数日前に、愛用の八雲琴が自然と鳴り出す怪異があり、自らの死を予期した彦操は、「命は惜しくないが、日本の芸術が惜しい」と、斎宮の秘事の絶えることが惜しいと嘆かれたそうです。彦操の急逝により、神法とそれに付随する多くの口伝もほとんどは絶えてしまいました。

 

 

“「折り」とは、「天降(あおり)」であり「天振(あふり)」であり、天意の降下したもので、また天意の振動、律動です。”(p39)

 

 

“一符一符が、大宇宙を貫く玄妙な法則と密接不離の関係があって不思議な霊力を保有しており、天地自然や人間の中にも存在して多くの不思議な作用をなす普遍的存在「宇宙の気」を離合集散させる力を持っている” (『古神道の本』より)

 

 

なにげない折紙の一方には、こんな歴史があったのです。

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参考:『古神道の本 甦る太古神と秘教霊学の全貌』 1994年8月 学習研究社

 

(2017/01/08)

【22冊目】Data

  幸せを呼ぶ折紙の秘密

    著者 大宮 司朗

      2015年5月 八幡書店

 

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