Water Library 018

・・水のほん“Water Library ”・・・

~・~・水にときめいて・~・~

 

 

図書館の新着本コーナーでみつけた本書『CO2ゼロ計画 水がエネルギーになる日。』をご紹介します。

 

24年前の地球サミットで、当時12歳だった少女、子供環境機構ECHO代表セヴァン・カリス・スズキさんは、すでに地球環境の悪化を危惧してメッセージを世界に向けて発信しました。以下は、本書からの抜粋です。

 

人間は自然の一部。自然がなければ生きていけない

・・・価値の転換をどのようにすればいいかと、一生懸命、論議している大人の人たちを見ていると難しいことを考え過ぎて、簡単なことを忘れてしまっているように思うのです。

 

私たち子どもは、自然と密接な関係を失っていません。オタマジャクシや花や昆虫などを愛しています。そして人間が自然の一部であることも知っています。価値を転換するには子どもの頃を思い出すことです。自然の中で遊んだこと。それがどんなに素敵だったか、それがどんなに大切だったか……大人がなんでも解決してくれると信じていたこと。何が正しくて何が間違っていたかを知っていたことを思い出してください。本当に大切なことは純白で偽りのないことです。

 

 あなた方の中の子どもの心は一番大切な価値や本質を知っています。それなのにあなた方の興味は、株や出世やお金儲けのことばかりです。いくらお金があっても自然がなければ生きていけません。あなた方は『子どもの頃、自然はいつもそばにあった』という思い出をもつ、最後の世代になってしまうのではないでしょうか。

 

・・・私たちが生きることのできる地球を残すためには、大きな変革を急いで実行する必要があります。・・・もし、あなた方がやらなければ一体誰がするのでしょうか。

 

・・・いつも「経済が優先」という論争に巻き込まれています。でも、きれいな空気や水、土がなければどうやって生きていけるのでしょう。(p19~22)

 

 

著者の深井さんは当時、これを自分の気持ちを代弁してくれたように感じたそうです。そして、この言葉は今の行動の根を支えているそうです。レストランやホテルを経営していた深井さんが事業を転換することになったきっかけは、深井さんの住む長野県上田市を流れる千曲川が汚れてきて、なんとかしないと大変なことになる、川が汚れるのはなぜだろうと考え、「自分がきれいになれば自然は汚れる」と気づいたことがはじまりでした。

そこで、地球環境に負荷をかけない、汚れを出さない洗剤はできないかと考えました。自然に学び、昔の自然に返すこと、春夏秋冬、季節の移り変わり、川の流れ、風の動き、気流の流れ―そうしたものから学んで、昔のきれいな川の水を取り戻したいと思い始めて、創生水の開発に取り組みました。

 

渓流の水は急な落差で流れて、空気中の酸素や二酸化炭素を吸収します。水が二酸化炭素を吸収すると川の岩石からミネラル分を吸収しまろやかさを増します。さらに、水の一部が蒸発し続けており、このとき周りから気化熱を奪うので、渓流の水がほどよく冷えます。汚れていた水も流れや川の浄化作用で生き返ります。この渓流の水にヒントを得て、創生水が開発されたそうです。

 

創生水の分子構造は、H3O2マイナスです。

創生水生成器のメカニズムは、硬水を軟水にしたあと、黒曜石で還元し、活性水素を生み出し水分子を細分化してエネルギーの高い状態になります。トルマリンとアルミカールの入った筒を通過させ、ヒドロキシルイオンを発生させ、界面活性効果を持った水に生まれ変わり、洗浄力を与えます。塩素やその他の有害物質を除去する働きを持ちます。

 

さらにこの結果、油と水を融解させることが可能になるので、新しい燃料、エマルジョン燃料ができるのではと考えて挑戦したところ、結果は想像をはるかに超えるものでした。重油、軽油や灯油の2倍近くの熱量を出し、CO2は、重油などに比べマイナス10%からマイナス49%を実現、NOxは、同じくマイナス74%からマイナス85%でした。ということは、化石燃料を大幅に削減する可能性があります。

 

深井さんは次のように話しています。(p80)

「これから水は油以上の利権になります。汚れた水をきれいにするのではなく、初めから水を汚さないという技術に全世界が資金を出すようにするべき。・・・汚す水に対する規制がものすごく甘い。元来排出する水の規制を強くすれば、水そのものを汚さない良い技術が生まれるはず。そこに新しい産業ができてくる。行政は汚染物質をとる技術にのみお金を出して企業を甘やかしている。行政も関連企業も意識改革が必要です。」

 

産業分野への導入も始まっているそうです。創生フューエルウォーター(SFW)が、国内で広島県福山市の海苔製造工程でボイラーへの稼働が予定されています。マレーシアでは漁船の燃料代が高いのが悩みでしたが、導入して現在順調に稼働中だそうです。中国上海の有力企業にプレゼンし自動車のロータリーエンジンに採用が予定され、ほかにも問い合わせが相次いでいるそうです。ジェットエンジンの燃焼実験も検討しているそうです。この水は腐らないので15年経っても大丈夫だそうで、震災対策に備えてストックすれば、飲むだけでなく燃料にも使えます。

 

本書には、大人の身体の水分は約60%、あかちゃんの身体の85%が水、血液の90%が水、脳は80%が水、骨の30%が水とでていました。1日約2.5リットルも尿や便、汗などから体外に水分が排出されています。飲んだ水はすぐに脳や生殖器に送られて、30分以内に皮膚や心臓に達し、体内を循環します。この水は約1ヵ月で入れ替わります。創生水によって、精子数が平均2.3倍に増加したというデータもあるそうです。精子数の減少は、水道の塩素や、防腐剤の「パラペン」が影響しているといわれています。

 

本書は、創生水の可能性と、将来の地球環境が改善されて、明るい未来を築いていける希望と確信を感じさせてくれます。

 

しかし、装置自体はかなり高額で、ランニングコストもだいぶかかるようです。かつて、コンピューターやテレビが現れた時は庶民の手に届かなかったのが、いまでは一家に1台以上あるようになりましたから、創生水のすばらしさを多くの人が理解して世界中に普及すれば、先日インドでは大気汚染で学校が休校になったそうですが、空気がきれいになり大気汚染も改善されるはずです。

けれど、いま石油に依存した社会で、洗剤の製造や医療関係、エネルギー関係の仕事をしている人々にとっては生活が成り立たなくなるかもしれません。きれいな空気、美しい地球を残すか、それとも、このまま地球が住めない場所になるのを指をくわえて見ているのか、一人ひとりの決断がせまられています。

 

さて、今日のニュースでは、東京電力福島第1原発事故による福島県内11市町村の避難指示区域(解除済みを含む)に、除染作業に伴う汚染土などの仮置き場が、東京ドーム213個分に相当する約1000ヘクタールあることが環境省への取材で分かった。汚染土の搬出先となる中間貯蔵施設の整備の遅れが背景にある。9割強が田畑で、各自治体は基幹産業である農業の復興に取り組むものの農地が奪われた格好となっており、農家からは風評被害などを懸念する声が上がる。(毎日新聞)と、ありました。この先ずーっと、この作業はつづくのでしょうか。

 

かつて風光明媚だった西湘海岸の景色を思う時、セヴァン・カリス・スズキさんの言葉が心に響きます。西湘海岸の海岸線の変化は地球温暖化の影響というより、水道のための人為的な構造物があることによって、自然な川の水の流れが分断されたことが原因と考えられています。いま、さまざまなテクノロジーが開発されています。もう少しの努力、勇気があれば、未来はずっと違ってくるでしょう。

 

何気なく毎日使う水が、どこからきて、どこに行くのか。たったコップ1杯の水でさえ、海岸に流れていくはずの砂を私たちは奪っているんだとしたら、取り返しのつかないことをしているのだとしたら、未来に自然を残せないとしたらと考えると、胸がいたみます。水のめぐみに感謝し大切にしていきたいです。

(2016/11/16)

 

【18冊目】Data

   CO2ゼロ計画   水がエネルギーになる日。

  著者 深井 利春 / 監修 有冨 正憲

  2016年9月 ダイヤモンド社

 

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