Water Library 006

・・・水のほん“Water Library ”・・・

~・~・水にときめいて・~・~

 

 

近頃、書店の棚のコーナーに糖質制限に関する本がずらりと並んでいます。

 

飽食の時代と言われて久しいですが、私たちは痩せたいという願望や、食べ過ぎていることや食生活の管理ができないことで生活習慣病のような体調不良をまねき、健康になりたいという願望を抱いています。しかしながら、一方では子どもの貧困という問題も起きています。経済格差については別の機会にして、今回は、この人間から切り離すことがむずかしい炭水化物がもたらす影響を説いた本書をご紹介します。

 

著者は栄養学の専門家というわけではなくて、1957年生まれの外科の医師で、「外傷の湿潤治療」のパイオニアです。「傷を消毒してガーゼ」する治療が間違っていることを指摘した著書『傷はぜったい消毒するな』はロングセラーになりました。

ご自分のからだを実験台に糖質制限をはじめた彼は、高血圧も高脂血症も自然に治って体型が学生時代に逆戻りし、午後の居眠りや二日酔いがなくなり、イビキや睡眠時無呼吸が治ってぐっすり睡眠でき、目覚めもすっきりという具合で、効果抜群いいことだらけなので、その結果、彼の周囲に「糖質セイゲニスト」が増えていったといいます。

 

糖質ってなに? 糖質とは、血糖値をあげる栄養素(食品)、具体的にあげると、米、小麦(うどん、パスタ、パンなど)、そばなどで、糖質制限では、これを原則的に食べてはいけないとされます。

以下、本を参考に食べてよい食品をまとめてみました。

穀物、砂糖が含まれているもの、砂糖が味付けにつかわれているもの

 ×

玄米も避ける

肉・魚類、卵、大豆製品、野菜、キノコ、乳製品、油類

しかし根菜類(芋類、ニンジン、レンコン)は糖質が多い

果物

アボカドは食べていいが、果糖の多い果物は避ける

ナッツ類

コーンやジャイアントコーン以外は食べてよい

お菓子類、スナック類

原則的に×

揚げ物

フライや唐揚げの衣程度なら可

ジュース、スポーツドリンクなど

無糖と表示以外は飲んではいけない

酒類

醸造酒(日本酒、ビール、マッコリなど)は×

蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ウォッカなど)は○

日本人が1日3食を食べるようになったのは歴史上最近のことで、世界の歴史をみても2食でも問題ないと書いてあります。また、炭水化物が必須かというとそうでもないことや、カロリーという概念の矛盾についても書かれて、なるほどと思わされます。

糖質制限をすることで、体が活動的になり、食事に費やす時間や費用を他のことに使えるとも書いてあります。今日からでもチャレンジできそうです。

でも、やっぱり、ご飯やパンはおいしいし、食べたいな…と思ったりしますが、

それぞれの食品に含まれる糖質を1個4グラムの角砂糖に換算すると、

  コーラ(355㎎) = 約10個

  6枚切の食パン1枚(炭水化物30g) = 8個

  白米飯1膳・素うどん1玉(炭水化物55g) = 14個

だそうで、この数字を見たらドキリとします。

 

Ⅴ章「糖質制限すると見えてくるもの」では穀物生産の現状について言及しています。

日々食べている食品の多くは糖質そのものでできていて、牛や豚などの家畜の餌も穀物からなり、人類の食を支えているのは穀物、糖質が中心です。

日本は穀物の大部分を輸入にたよっていますが、「世界の穀倉地帯」と呼ばれるアメリカ中西部やオーストラリア南東部がいま、窒素肥料による「緑の革命」の弊害や塩害、地下水の枯渇などの問題に直面していて、持続不可能とまで言われています。肥料が土壌の地下水を汚染し、また灌漑農業や生活、工業用水のくみ上げにより地下水の水位低下がすすみ、我々は地下水を飲み干そうとしているのです。

このまま穀物を同じようにとり続けて、少ない穀物の奪い合いをするようになる前に、非穀物食(例えば、マメ科植物)に切り替えるのも生き延びる可能性につながる一つの方法です。糖質制限は体が慣れると、さほど食べ物に執着しなくなるそうです。

 

長い人類の歴史の中で、食べるために働くことは、いつしか、働くために食べるという意識になりました。農耕社会は人類に安定した食糧をもたらしましたが、たくさんの食物を必要としなければ、生活の大半を労働以外のことに費やすことも可能になるのかもしれません。

しかし、現在世界中には、いまだ飢餓に苦しみ命を落とす人々もいます。また、1月前の熊本地震では、避難した人たちに十分な食糧が届いていないようでした。

穀物は人間を不健康にするということも知り、土壌の養分がなくなり地下水が枯渇する事態をかんがみるならば、糖質制限をして、非穀物食(肉食も含めて)中心に切り替えることが世界の人々の生活の安定と平和につながるのかもしれません。穀物だけに依存しない食生活の可能性をこれからもっと考えていけたらと願っています。

(2016/5/18)

 

【6冊目】Data

炭水化物が人類を滅ぼす

糖質制限からみた生命の科学

 著者 夏井(なつい) 睦(まこと)

2013年10月 光文社新書

 

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