Water Library 005

・・・水のほん“Water Library ”・・・

~・~・水にときめいて・~・~

 

前回、『奇跡の水』という本をご紹介いたしました。

 

「自然を理解し、真似る」ことが重要だと主張するエコロジスト先駆者であるヴィクトル・シャウベルガーの理論は、20世紀の科学万能、正統科学界からは受け入れ難く、逆に彼の発明が軍部に悪用されるなど、不遇な運命をたどったのですが、本書は「世界のすべての教科書を書き換えなければなくなる」のではないかというほどのヴィクトルの自然への洞察について、第6部(19章)にわたってくわしく解説しています。今回はやや長くなりますが、本書をとりあげたいと思います。

“変化を実現するためには、世界の見方(環境政策を含む)を根本的に変える必要がある”と、著者アリック・バーソロミューは序章で述べています。

21世紀に入り至る所で、このままでいたら、人類や地球は破滅するだろうと言われています。環境経済学の礎を築いたハーマン・デイリーも今までの「成長」崇拝は私たちに持続不可能な社会をもたらしたと話しています。

 

どこで人類の文明が間違った方向に向かってしまったのでしょうか。

デカルトの唱える「我思うゆえに我あり」という哲学から、“人間は自分を偉いものと勘違いし、人間性という概念を自然から切り離す発想”がうまれました。これに対しヴィクトルは、“私たちの文明全体がどこまでも世界を物質的にとらえるという世界観に囚われている”“一見やりたいことを自由に何でもできるという興奮、多くの富と娯楽をわがものにできるという魅力のとりことなっている”と鋭いメッセージを発しています。

本書の目的は“自分たちが物質的な達成の頂点にいると思うような傲慢さの中でも、人間の魂は再び覚醒しつつあり、自分たちが生まれてきた自然とのつながりを取り戻すべきだという強い欲求”(p14)の“流れを強め、育むことにある”と著者ははじめに述べています。

 

―水の魔術師―

ヴィクトルが生まれ育ったおいたちにも関係していますが、彼は森に対する並々ならぬ関心、観察力、鋭い知性がありました。自然の中にある法則を利用してエネルギーを生み出すことで、干上がった水を再び湧き出させ、川にいるマスが上流へと推進して泳ぐ力を利用して「トラウトタービン」という発電機を開発しました。木材運搬用の水路についても大成功をおさめました。水のもつ温度差や密度の変化、らせんや渦巻きの運動を利用したエコ・テクノロジーにより、さらには空飛ぶ円盤まで実現可能にしました。

 

―森林について―

本書で、“水は渦巻きによって自らを浄化し、活性化し、間違った使われ方をしたために生じた悪い記憶のエネルギーを拭い去る、精妙なエネルギーを導き入れる”(p44)と書かれています。

1本1本の樹木は森林を豊かに茂らせます、そのプロセスには土壌深くから重要なミネラルや微量元素とともに地球が持つ負のエネルギーを帯びた水を吸い上げ、葉から蒸散し、太陽からの正のエネルギーを調和させるバイオコンデンサーとして作用しています。

そういえば、森の独特のすがすがしい香りはフィトンチッドと呼ばれ、さまざまな効果効能が知られていますが、樹木の葉から水分とともに蒸発してもたらされたものです。

海洋から蒸発した水や森林から発散される水には、植物や藻類から発せられたジメチル硫化物を含み結合して大きな水滴となり、雨を呼びます。“森林からの活発な蒸発散量が減少すると、水蒸気の質と大気中の分布は大きな影響を受け”て、気候が乱れ、激しい嵐や雷雨、洪水、一方で干ばつや砂漠化が起こりやすくなります。ヴィクトルは「森は水のゆりかご」であると表現し、森林を伐採すれば水不足と気象変動が起こるだろうと予言しました。何より森には夏涼しく冬暖かくする作用があり、豊かな腐植土や細菌を生み出す森林は生物多様性の宝庫です。

水の惑星地球はそのような精妙なエネルギーで保たれていますが、耕作や宅地化により全世界で森林伐採が進み、水のバランスが崩れつつあります。

最近の日本では太陽光発電が普及して、農地や森林を開発して太陽光発電のパネルを設置しています。

 

―現代の水の処理法―

私たちが飲んでいる水道水には安全衛生上、塩素が添加されていますが、体内の免疫力を高める微生物の力を弱めさせたり、体内の脂肪組織に塩素が蓄積されたりしてしまいます。日本の水道局は、健康に問題ない量だといっていますが、東京都も水道法で定められている0.1mg/L以上は含まれています。(実際のところ地域の水道局によって塩素が添加される量にかなり差があります。ちなみにWHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインによると、塩素のガイドライン値は5mg/Lとされています。)本書ではp208に次のように書いてあります。

“殺菌され、物理的に破壊された水は肉体的衰弱を起こすだけでなく、精神を退化させ、人間をはじめとする生物に一律に広範な劣化を引き起こす”

ヴィクトル・シャウベルガー『我らが無益な骨折り』

ウィーン郊外でタールを塗った水道管の鋼鉄製のパイプを新しく使ったところ、がんの発生率が2倍になったことを知ったヴィクトルは、水道管の材質について言及し、従来の木製が優れているとしてパイプの設計に着手しました。

また、水の処理法として水の保存には卵形の容器が有効であることも示しました。

 

―自然のバランス―

ヴィクトルは水を「大地の血液」と呼び、人間の無思慮なやり方が水から魂を奪い去ったと嘆いています。畑を耕す鋤ででさえ、鋼鉄製の鋤は土壌のエネルギーを刺激し土壌が損なわれエネルギーポテンシャルが失われることを観察し、銅めっきを施した鋤を開発し収穫量にすばらしい成果をあげました。持続可能な農業についても生体磁気を根拠に微細なエネルギーのバランスを取る方法を用いました。

限定された世界観で生きている私たちは、ヴィクトルの「自然がいかにバランスを求めて、人類が自然のバランスの法則に反している」という言葉や、「原因を突き止め【中略】世界を破滅に導きつつある過去を明らかにしてこそ、若い人たちの努力は現実に成功を収めることができるのだ」という言葉を、率直に受け止めて実際に活かしていきたいものです。

 

また、ヴィクトルは現代社会の世界観が狭くなっている原因のひとつは、教育システムにあると考えました。

「小さな子どもの示す無垢の創造性、生きることへの渇望、学ぼうという渇望」を失わないように、ヴィクトルは願っています。

自然の法則のなかでも人類にとってとりわけ、バランスの法則、生物多様性の法則、高次の意識に向けた進化の法則が重要であり、その法則を理解し調和してやっていくことが、待ち受けている災厄を回避しこの惑星に生まれた人生を享受することができるのです。

近頃、待機児童の問題も世間に投げかけられましたが、ヴィクトルの育った当時の子どもたちの生活はどんなものだったのでしょうか。画一的な教育は、金太郎飴のような人間を増やします。自然のなかでの子育てや子ども時代の重要性をもっと社会全体で認識することも緊急で大事なことだと思われます。

 

おわりに

ヴィクトルの呼びかけに応えた人々の活動が各国で具体的に始まっています。

たとえば、ドイツのあるグループは「質の高い人生に必要な条件としての自然と環境に対する愛情を取り戻す方法」というテーマについて講演を行っています。その他にも「フローフォーム」という名の装置で、水を活性化する作用のある水鉢を創り出したイギリスの芸術彫刻家や、らせん状の「パーソナル・ハーモナイザー」という製品を作ったCIRについてなども本書で紹介しています。

 

さて、私はこの380ページ以上あるこの本を読みこなすためには、かなりの知力体力が必要だと感じました。そこでどうしたものかと思案して、チベット体操を思い出しました。5つの儀式の最初のポーズは、両腕を水平に肩の高さにあげたまま、右回りに回転するという一見簡単な体操です。めまいを起こしてふらつきますが、体中の血液が毛細血管の隅々まで行き渡り、まさにヴィクトルのいう渦巻き状に血液が運ばれる感覚があります。この体操は若さの泉と言われますが、50歳以上でないと行ってはならないようです。

(2016/5/18)

 

 

【5冊目】Data

自然は脈動する

ヴィクトル・シャウベルガーの驚くべき洞察

 著者 アリック・バーソロミュー

訳者 野口正雄

平成20年4月 日本教文社

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